なんだこいつ。
いつも通りの放牧。俺は動物たちの世話をしていた。
丘の上の方でゲートが開いた。
中からまだ子どもっぽさが抜けてない奴と、そのお供らしき奴が出てきた。
身なりがこの辺の者と少し違う。貴族か?
こんなところに何の用だろう。
まぁ俺には関係ないな。
無視して放牧している馬の様子をみていたんだが
向こうも俺に気が付いて足早に丘を降りてきた。
「あれ、君、見ない顔だね。最近雇われた人か何かかな?」
この辺の人間のことを把握してるのか。何者だろう。
俺が答える前に話は続いた。
「僕はジュリオ・バスク。親がこの辺の土地を管理してるんだ。」
地主の子どもってところか。
「ミリアムが家に戻ってきたって話を学校で聞いたんだ。今いる?」
なるほど、学校の知り合いか。
それならまぁ分かるけど、あいつ今は学校に行ってないよな。。さぼりか。
「ミリアムなら先ほど畑仕事が終わって家に戻っていったところですよ。」
ジュリオと名乗った奴はパっと顔を輝かせて急ぎ足で家へ行った。
数年行方知らずだったしな、友達なら心配もするよな。
同級生かな。ちょっと小さい気もするが。
だけどお供が持ってる花束はなんだ?ミリアムにあげるんだろうか。
この寒い時期に花束なんてめずらしい。しかも結構なサイズだ。
久しぶりに会うにしてはちょっと大げさじゃないか?
何かもやっとする。
仕事中だから動けなかったが、俺は視線だけはジュリオを追っていた。
********************
家からミリアムが出てきた。
何か話しているようだけど、ここからじゃ声は聞こえない。
髪の色のことを言われたんだろうか、ミリアムは自分の髪の毛をいじりだした。
黒から赤に変わったからなぁ。俺も最初は驚いた。
個人の好みだからどっちでもいいんだけどな。
でも俺はやっぱり黒の方が良かったなぁ。
どうでもいいことを考えていたらジュリオとかいう奴は事もあろうにミリアムに抱き着いていた。
いやあれはハグか?。。。どっちも同じだな。
あれか、久しぶりに会ったから嬉しくなって抱き着いたとかそういう理由か。
多分そうだな。きっとそういうタイプだ。
今日は風が強い。早めに放牧を終わらせることにしよう。
*******************
馬を厩舎に戻した後でもまだジュリオは家の前に居た。
中に入らないんだな。
というかなんだ?ミリアムの手を取って。
俺の存在に気付いたミリアムは少し困ってるように笑った。
さっさとその手を振り払っとけばいいのに。
「ラス兄!お疲れ様~!今ね、学校の友達のジュリオと話してたんだ。ジュリオはね、この辺のお金持ちなんだよ!」
金持ちとか本人がいる前で言うな。
「さっきのお兄さんだね。やっぱりここの雇われ人だったんだ」
「ラス兄はね、ブリテインの東部にある大きいの宿屋の子だよ。
畑仕事や動物のお世話をやってみたいっていうから、うちの仕事を手伝ってもらうことにしたの。
あ、一応テイマーなんだよ!ね!」
ミリアムが全部話してくれたんで俺は黙っていた。
真顔なジュリオから何やら圧を感じる。
「へえ、、テイマーなんだ。僕もいつかペットを従えて冒険にいってみたいんだ。何のペットを育てているの?」
答えたくなかったが、ミリアムたちの立場というものもある。
相手が地主の子ならばなおさら。変にこじらせるのも迷惑になるのでしぶしぶ教えてやった。
「え、クーシー?近くでまだ見たことがないんだ。見せてよ。どこにいるの、厩舎?」
RDを見せたらさっさと帰ってもらうつもりで厩舎に連れて行った。
*******************
RDは大人しい。
見知らぬ人間が近寄っても普通は問題ない。
丸くなって寝ていたが、俺たちが厩舎に入ってきたのでむくりと起き上がり、においを嗅ぎながらこちらの様子を伺っていた。
「赤毛のクーシーかぁ!深みがあっていい色だね。」
興奮気味にジュリオは言った。
こいつもテイマーに憧れているんだな。その辺は認めてやるつもりだったんだが。
「毎日手入れしてるんじゃない?毛並みがキレイだぁ。テイムするの大変だったでしょう?」
痛いところをついてきた。
こいつは人から譲り受けたもの。
テイマーだけどこのクーシーはテイムしてない。
「え、自分でテイムしてないの?それじゃぁこの子を僕に売ってよ。育て途中?じゃあ500万gpでどう?」
驚いた。
まさか人のペットを欲しがるとは。
相場より高めに提示してきたが、金じゃないんだよ。
いやそもそも、まだテイマーにもなれてないんだろう。
何言ってんだこいつは。色々と気に入らない。
俺は譲らない意思を伝えた。
ミリアムが間に入ってその場はなんとかなった。
帰り際ジュリオはまた来ると言ってゲートの中へ消えていった。
お前は二度と来なくていい。
丘の上の方でゲートが開いた。
中からまだ子どもっぽさが抜けてない奴と、そのお供らしき奴が出てきた。
身なりがこの辺の者と少し違う。貴族か?
こんなところに何の用だろう。
まぁ俺には関係ないな。
無視して放牧している馬の様子をみていたんだが
向こうも俺に気が付いて足早に丘を降りてきた。
「あれ、君、見ない顔だね。最近雇われた人か何かかな?」
この辺の人間のことを把握してるのか。何者だろう。
俺が答える前に話は続いた。
「僕はジュリオ・バスク。親がこの辺の土地を管理してるんだ。」
地主の子どもってところか。
「ミリアムが家に戻ってきたって話を学校で聞いたんだ。今いる?」
なるほど、学校の知り合いか。
それならまぁ分かるけど、あいつ今は学校に行ってないよな。。さぼりか。
「ミリアムなら先ほど畑仕事が終わって家に戻っていったところですよ。」
ジュリオと名乗った奴はパっと顔を輝かせて急ぎ足で家へ行った。
数年行方知らずだったしな、友達なら心配もするよな。
同級生かな。ちょっと小さい気もするが。
だけどお供が持ってる花束はなんだ?ミリアムにあげるんだろうか。
この寒い時期に花束なんてめずらしい。しかも結構なサイズだ。
久しぶりに会うにしてはちょっと大げさじゃないか?
何かもやっとする。
仕事中だから動けなかったが、俺は視線だけはジュリオを追っていた。
********************
家からミリアムが出てきた。
何か話しているようだけど、ここからじゃ声は聞こえない。
髪の色のことを言われたんだろうか、ミリアムは自分の髪の毛をいじりだした。
黒から赤に変わったからなぁ。俺も最初は驚いた。
個人の好みだからどっちでもいいんだけどな。
でも俺はやっぱり黒の方が良かったなぁ。
どうでもいいことを考えていたらジュリオとかいう奴は事もあろうにミリアムに抱き着いていた。
いやあれはハグか?。。。どっちも同じだな。
あれか、久しぶりに会ったから嬉しくなって抱き着いたとかそういう理由か。
多分そうだな。きっとそういうタイプだ。
今日は風が強い。早めに放牧を終わらせることにしよう。
*******************
馬を厩舎に戻した後でもまだジュリオは家の前に居た。
中に入らないんだな。
というかなんだ?ミリアムの手を取って。
俺の存在に気付いたミリアムは少し困ってるように笑った。
さっさとその手を振り払っとけばいいのに。
「ラス兄!お疲れ様~!今ね、学校の友達のジュリオと話してたんだ。ジュリオはね、この辺のお金持ちなんだよ!」
金持ちとか本人がいる前で言うな。
「さっきのお兄さんだね。やっぱりここの雇われ人だったんだ」
「ラス兄はね、ブリテインの東部にある大きいの宿屋の子だよ。
畑仕事や動物のお世話をやってみたいっていうから、うちの仕事を手伝ってもらうことにしたの。
あ、一応テイマーなんだよ!ね!」
ミリアムが全部話してくれたんで俺は黙っていた。
真顔なジュリオから何やら圧を感じる。
「へえ、、テイマーなんだ。僕もいつかペットを従えて冒険にいってみたいんだ。何のペットを育てているの?」
答えたくなかったが、ミリアムたちの立場というものもある。
相手が地主の子ならばなおさら。変にこじらせるのも迷惑になるのでしぶしぶ教えてやった。
「え、クーシー?近くでまだ見たことがないんだ。見せてよ。どこにいるの、厩舎?」
RDを見せたらさっさと帰ってもらうつもりで厩舎に連れて行った。
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RDは大人しい。
見知らぬ人間が近寄っても普通は問題ない。
丸くなって寝ていたが、俺たちが厩舎に入ってきたのでむくりと起き上がり、においを嗅ぎながらこちらの様子を伺っていた。
「赤毛のクーシーかぁ!深みがあっていい色だね。」
興奮気味にジュリオは言った。
こいつもテイマーに憧れているんだな。その辺は認めてやるつもりだったんだが。
「毎日手入れしてるんじゃない?毛並みがキレイだぁ。テイムするの大変だったでしょう?」
痛いところをついてきた。
こいつは人から譲り受けたもの。
テイマーだけどこのクーシーはテイムしてない。
「え、自分でテイムしてないの?それじゃぁこの子を僕に売ってよ。育て途中?じゃあ500万gpでどう?」
驚いた。
まさか人のペットを欲しがるとは。
相場より高めに提示してきたが、金じゃないんだよ。
いやそもそも、まだテイマーにもなれてないんだろう。
何言ってんだこいつは。色々と気に入らない。
俺は譲らない意思を伝えた。
ミリアムが間に入ってその場はなんとかなった。
帰り際ジュリオはまた来ると言ってゲートの中へ消えていった。
お前は二度と来なくていい。