到着。役目は終わったかな。

つむぎ

ミリアムの家についたのは日が傾き始めた頃だった。

昼間はそうでもなかったんだが、この時刻になると空気が冷たくなってくる。
家は山間にあるからな、温度差が激しいな。

俺たちが家の敷地内に入った時、ミリアムの母親のグレースさんと妹のリマが家から飛び出してきた。
事前にいつ帰るか手紙を出しておいたので待っていたんだろう。

母娘3人で抱き合いながら喜んで、
少し背が伸びたんじゃない?とか大人っぽくなったわね、とかそんなことを話していたな。

3人揃って手を繋ぎながらその場で飛び跳ねてた。喜び方が同じだよ。そっくりだ。


何年も家出をしていたんだし、少しは叱られたりするんじゃないかと思っていたんだが
ただただ再会に喜んでいるだけだった。
夕暮れだというのに3人がまぶしく見えた。

こんな家庭もあるんだな。
俺のところだったらまた違うんだろうな。

家族か。

*************

今夜はミリアムの家に泊めてもらうことになった。

父親のテリーさんは仕事で家を出ているらしい。
会って話がしたかったな。また別の日に来てみよう。

夕食はパンやチーズ、鶏肉の香草焼き、野菜が入ったスープが出た。
ほぼ自家製だ。うまかった。

俺にはまだ懐いたばかりのペットのRDもいるし、寝床は子どもの頃によく遊びで使ってた
馬小屋の藁のところでも良かったんだけど、それを言ったら血相かえて止められた。

そりゃそうか、と軽く笑ってたんだが。

「客間が用意で来てなくて。ゴメンねぇ」とミリアムの部屋に通された。

なぜなんだ。

何のために前もって手紙を送ったと。

グレースさんは料理ばかりに気を取られて寝室のことはすっかり忘れていたらしい。

「衝立があるから大丈夫だよ~。」

のんきに答えるミリアム。
お前なぁ。

まぁいい。。。

*************

食事と風呂が終って、夜も更けた。
疲れてたのかミリアムは先に寝てしまった。

俺はいつもその日の出来事を手帳に書いている。

それが終ったら寝るつもりだったんだが、衝立の向こう側から何かが落ちる音が聞こえた。

ミリアムだ。

ベッドから落ちたんだ。寝相が悪いのは知ってたが、今もそうだったとはね。
自分で起きてベッドに戻るだろうと思ってたんだが、そんな気配がない。
床で寝てるのか。

山の夜は冷える。

布団に絡まって芋虫のようなミリアムをベッドに戻そうと抱き上げてはみたんだが、


「重てぇ・・・!」


寝ている人間がこんなに重たいとはね。

ミリアムは小柄だからいけると思ったんだけどな。
デカい石のような重さだった。

俺は見習いテイマー。
腕っぷしには自信がない。

そのうち寒くなって勝手に起きるだろう。

俺はさっさと自分のベッドに戻って寝ることにした。
Posted byつむぎ

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